ご妊娠おめでとうございます。
初めてお産をされる方、2度目、3度目の方もいらっしゃるでしょう。予定日まで楽しみがある反面、不安もよぎることと思います。何か症状があれば、すでに主治医からの指示にしたがっていらっしゃるでしょう。
しかし、後で考えるとよくわかっていなかったとか、相談できなかったことがあるはずです。いくつかの事がらについて述べてみましょう。
妊娠初期ではなんといっても出血ですね。流産の危険を主治医のアドバイスでのりこえても
「出血が長引いた時に、赤ちゃんの発育や知能の発達には関係しませんか」という質問を受けますが、これはまず心配はないと思ってよろしいです。
次に、今では超音波検査で、胎児の発育程度を、妊娠初期から調べられるようになり、最終月経の第一日目から計算された予定日を、正しく修正することも可能になっています。
医学の進歩により、心臓病、腎臓病、糖尿病など、以前ではとてもお産などできなかった合併症妊娠も、主治医と緊密なコンタクトをとり、定期的に検査・診察を受ければ、健康な赤ちゃんを産むことも可能になりました。もし合併症がある方は、心配をしないで医師の指示に従ってください。
妊娠と気づかない前に、いろいろな種類の薬を飲んだり、X線撮影をしてしまい、胎児への影響を心配されている妊婦さんもいらっしゃることと思います。
最近では、ごく一部の薬を除いては、胎児にほとんど影響がないように思えます。またX線にしても、最今ではごく微量しか使用されず、防御法も工夫されているので、下腹部の写真を直接撮らない限り、まず影響はないといわれています。
予定日が近づくと、入院のタイミングが問題になってくるかと思います。お産をする病・医院に遠い近いの違いはあるでしょうが、一般的に初産では、陣痛が規則的に10分おきくらいになってから分娩までに15〜30時間はかかります。多量の出血や、破水などなければ、そんなに慌てないでも十分間に合います。
しかし、2度目、3度目の方は、早め早めが良いでしょうね。
いよいよ陣痛が始まったら、次は生む苦しみと不安にかられるでしょう。お産はあなた一人でするのではありません。医師、助産婦、看護婦、それに親愛の夫の協力があるのです。心配はいりません。
妊娠中は散歩など、適当な運動をし、心がなごむ音楽を聴いたりして、健やかでおおらかな気持ちでお産を迎えてください。
きっとすてきな、かわいい赤ちゃんがうまれることでしょう。
おわりに産科医としてのメッセージ、ぜひ2人以上の赤ちゃんを産んでくださいね。兄弟・姉妹の力は大きいものですよ。
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