日本の女性が、一生のうちの産む子供は1.57人という数字が、昨年マスメディアで多く取り上げられました。政府も、この数字に驚いて、1年間の育児休暇を企業にたいして義務ではないにしろ、とらせることが望ましいという、異例といってもいい通達をだしました。それ以前にも、児童手当てを、従来の第二子からを第一子からに広げ、その期間を6年から3年に減らしはしましたが、全体から見れば広充するという考えを打ち出しました。
出生率の低下は、女性の高学歴化、就職、高額な教育費、住宅問題などがもっぱらの原因として語られています。
それもあるでしょうが、それは枝葉末節で、原因はもっと深いところにあるのに国民は気がついていません。「平等主義」ということをご存じと思いますが、日本の場合は、これに毒されてしまってというべきではないのでしょうか。
しかし、間違えないで下さい。男女が平等であることは確かです。同じ人間なのですから。でも、男女は同質ではないのです。
一般に男女の違いは性器官だけだと思われているようですが、一番大切な脳が男女ではかなり違うのです。このことは、まだ知らない方が多いのですが、脳の構造、形態、神経回路、配線、機能に性差があるのです。
したがって、男女のライフスタイルには、当然差があるわけです。
ところが、ミードやボーボォアールなど一部のウーマンリブの学者が、男女の性差は本来無いのだと唱え、多くの女性がこれを盲信して、政治、経済、文化、スポーツなどについて、男性と同じライフスタイルをとっても当然と考えるようになりました。
私の診療所の患者さん約60パーセントが卵巣機能不全です。これは女性の生物的特質を無視しての生活が、このような結果を招いているとしか考えられません。
しかし、少産はかならずしも日本に限ったことではありません。西ドイツとかフランスなど欧米でも、出生率が減少しています。歴史的に見れば、ローマ帝国がすでに出生率の低下で滅びています。
自由平等主義の西欧文明は、もともと宿命的に少産からやがて滅亡への道をたどる運命を内包していると、多くの思想家は考えているのですが、目先の経済的発展に気をとられて、一般の方には理解ができにくいものなのです。
私は、女性の方たちが、はやく盲目的な西洋崇拝をのりこえて男女の本質的な違いを再確認してほしいと思っています。
このまま進めば、女性の中性化、男性化が進み、少産からやがて日本民族は滅亡するでしょう。
西欧的な平等主義は悪平等で、けっきょく女性を不幸にするのです。
しかし、賢明な日本人はいずれ日本的な平等思想を創造すると私は考えているのですが。
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