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情報は正しくつかんで初めて知識

産婦人科原田医院

原田輝武

BeMam vol.2

 厚生省の発表によれば、昨年度の出生数は124万人で、前年度の最低記録をまた更新したそうですね。こういう数字を見ると、私は「年々、子どもの数が減って、日本の将来はどうなるんだろう」なんて思います。そんな、数少ない命だからこそ、胎児の時からの命を大切にしてほしい、そう願わずにはいられません。

 そこで私は、流産への注意についてお話ししようと思います。

 流産、早産は、妊産婦の10パーセントから15パーセントに起こるとされています。その大半が、2、3か月までに起きるので、この間はどなたにも、できるだけ安静にしていることをお勧めします。

 最近は働く女性が増えていますが、初期には特に注意してもらいたいもの。「甘えていると思われたくない」「言いにくい」なんて思わずに、職場には早めにそのことを告げ、オーバーワークは避けましょう。堂々と庇ってもらいましょうよ。私は、社会全体で、働く妊婦をもっと大事にすべきだと思いますね。産休と同様に「妊娠初期休暇」が、なぜないのだろうと思うくらいです。

 それから、近頃、高層住宅に住んでいらっしゃる方が多いようですが、3、4階にお住みで、エレベーターのない方、ちょっと気をつけてください。階段の昇降が子宮への負担となり、流産につながるケースが案外多くなっています。1日の昇降回数は控え目に、途中で何度もやすみながらゆっくりと、昇降りすればいいと思います。

 いずれにしても、流産の徴候・・お腹が張る、痛い、出血したという場合は、「ちょっと」でも要注意。最低でも3日間は寝ていてほしいものです。

 しかし、2、3か月までのごく早期には、安静にしていても流産した、あるいは妊娠に気付かぬうちに、生理に近い形で流産したというケースも多くあります。これは染色体異常などから、胎児自身に生命がなかったということが原因のほとんどで、残念ながら、どうしようもないことなんですね。

 4か月目からは、一応、安定期となります。5、6か月目にはいったら、仕事も運動も適度にということで、おおいにお勧めします。手を大きく振って歩くこと、マタニティスイミングやエアロビクスなども、骨盤底を支える筋肉を作るいい運動となります。が、この間にも、お腹が痛いとか、張る、出血するということが少しでもあれば、すぐに安静にしてください。

 最近は、超音波をはじめメディカルエレクトロニクスなどの発達で、危険や異常を早期に発見することができますし「 おかしいな」 と感じたら、 早めに医師の診断を受けること。

 最後に、過去に流産や中絶を経験したことのある方に。やはり習慣性になる可能性があるので、とくに慎重に行動してください。でも、あまり「またなるんじゃないか」と怖がらないように。注意する点だけをしっかり押さえ、後は、リラックスして、頻繁に医師に相談しながら過ごせば、きっと元気なお子さんが誕生すると思いますよ。 

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