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いまどきのふれあい診療

産科・婦人科 北村医院

北村修一 先生

BeMam vol.000

はじめに妊婦さんに打ち解ける診療を

 はじめに奥さんが病院に来て、妊娠していることが分かった時に歓喜でご主人ともども大変驚かれることと思います。

『ご懐妊、おめでとうございます』

 そして、私の病院では、その妊娠がいい感じで続いていくように、まずはじめに妊婦さんそれぞれと仲良くなることを心がけ、10カ月の妊娠期間中に、ご主人にも2〜3回は健診の場に付き添ってもらうようにしています。

 子どもを作るだけ作っても、男はどうしても実感がないですから、健診を通して本当に奥さんが妊娠していることの実感をしてもらっているんです。

 今までですと、奥さんのお腹が大きくなってきてやっと、「あれ?」という感じでお腹触って、「動いてる、動いてる」ということでしたが、健診時に超音波でお腹の中を見て、赤ちゃんがぴょこぴょこ動いていたり心臓が動いているとか、顔が見えれば顔だよとか、これが手・足だよとか、奥さんと共に実感することができますね。

 その妊娠が二人目や三人目のお子さんだったら、子どもの面倒を見ながら(通院している病院のシステム上、問題がなければ)子どもも連れて健診にはいってもいいと思うんです。そのようなきっかけから奥さんの妊娠経過を家族で実感してもらうことで、出産への準備が始まるんじゃないでしょうか。

 当病院でもなかなか混んでしまうと時間をかけてやって上げられず、最後の時間に変更してもらうことも有りますが、今後このような診療がさらに必要になってくると思います。

パパの役割も増す今時の出産

 最近のパパの中には、奥さんが出血したとか、お腹が痛いとか血相を変えて突然電話をしてきたり、直接奥さんを連れて来られる方がいらっしゃるのですが、そうした事態の対応にも普段の何気ない診察や健診を聞いていれば、過度な心配もなく対応できますし、「あの時、先生もお腹が張るとか診断されていたから」と、ちょっと奥さんの様子が変わっておかしくなったとしても、適切な情報が頭の中にインプットされていれば、会社から帰って万一、奥さんがウーウーうなっていたとしても、あせらず落ち着いて行動出来ると思うんです。

これもいい意味でのインフォームドコンセントです。

 最近、ご主人からのこうした電話が増えており、やはり奥さんが今、お腹痛いって転げ回っているんです。どうしよう、どうしようって、ぜんぜん落ち着きがないんです。本人を電話に出してくださいといっても、いや痛くて転がっているから、これからすぐに先生の病院に連れていきますからって、状況が全然わからないで来られてしまうこともあります。

 ご主人にとっては会社が忙しかったり、奥さんと接する時間が少ないのでしょう。そんな折に仕事から帰ると、「朝元気だった奥さんが、お腹が痛くてベッドで横になっていた」ということで、わけがわからず心配なんですね。ご主人様は状況がわからないから、すぐに病院に電話をしてきてしまう、という状況なんです。

 本来だったら家で安静にしていた方がいいのかも知れないし、こんなときにも健診で普段から顔を合わせていれば、先生も「こんな症状になるかも知れないって言ってた」と、冷静に電話して、「この前聞いたことが起きてしまったんで」と、落ち着いて行動出来ると思うんですよ。

奥さんを気づかった電話は、おばあちゃんからもよくあります。

 ある意味では家族の絆になるのでしょうが、「奥さんが妊娠している」ということしか頭にないと、「痛がっている。痛くて転がりまわっている。お腹が痛い」と言われても、お腹の上が痛いのか、下が痛いのか、右が痛いのか、左が痛いのか、通訳のように間に入られるのでしたら、本当の症状をつかみづらくなってしまいますからね。

産む苦しみばかりでなく、妊娠中も苦しみを分かるパパになって

 最近、お産の時にも分娩室に入るご主人が多くなっていると思います。当院でもほとんど全員が立ち会います。入院時(出産時)にご主人が付き添いで来ますね。その時に、「パパが血を見てひっくり返るとか、カゼを引いていて赤ちゃんに感染する」という状態では困りますが、健康体の方だったら、立ち会ってもらって、「これだけお母さんが苦しんで産んでいるのですから、パパもひょこひょこ遊んでいる場合じゃないですよ」といった感じですね。中にはお子さんといっしょに立ち会って感動して涙する方もいらっしゃいます。

 核家族化の進む今の時代、男性も女性の産む苦しみばかりではなく、妊娠した時から妊娠中の苦しみも分かってあげる様な協力姿勢が必要じゃないのでしょうか。

 

作るだけ作って後はお金を稼げばいいという時代は終わったみたいです。

 とにかく、いっしょにやっていく時代なのです。その人その人の家庭の事情もあるでしょうし、それは全員そうしないといけないというわけでもないのですが、せめて3〜4ヵ月に一度はいっしょに健診に来て、どんな状況なのか、何でもないのか、夏休みとか、連休中とか、そういう機会にでも来られそうな時に一度いっしょに来てもらって状況を聞いて、逆に何にもなければ、その時に旅行に行きたいんですけど、いいでしょうかということを聞いてもいいじゃないですか。

 そういう意味で、今の健診というのは今までのように赤ちゃんが発育しているかとか、お母さんに中毒症がないか、だけをみる健診じゃないと思うんです。異常の時の対応はじめ病院間の連携はもちろん、医師が技術を売るというのは当たり前のことですから、それ以上に患者さんの性格を一人一人判断して、その患者さんにあったふれあい方をしてあげられる診療が大事な時代なんですね。

 とにかく、ぼくの信念としては患者さんとみんはお友達になって、何でも話せる関係になってしまうことからが診療なんです。

 そのような診療を通して、「先生がいけないって言ったんだけど、ちょっと出かけてしまって」などと素直な情報が返って来ると、こちらも、それではお腹が張っても当然ですよって無駄なく診断できますし、妊婦さんそれぞれに合ったふれあいをして、そこにご主人も加わってもらうのが理想なんですね。

 産婦人科はどうしても恥かしがってしまって話さない方もいらっしゃいますから、その人の診療に役立ついろいろな情報を聞き出す意味でも、何でも言える関係を築くのが、私のまずはじめの大事な診療なのです。

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