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あなたの赤ちゃんは、あなた自身

大橋産婦人科医院

大橋克洋

BeMam vol.6

 夜中に一人で林の中を歩くとします。顔になにか触れようものなら飛び上がってしまいますが、昼間ならなんともありませんね。恐怖心は心構えで全然違い、知らないこと、予測できないことは大変恐ろしく感じます。良いお産のコツは「お産をよく理解し、先生を信頼すること」です。火事場で馬鹿力が出たり、怪我の痛みを感じないことがあります。火を消そうとしているときは平気でも、背を向けた途端すごく怖くなります。お産の時は「まず赤ちゃんのことを考えて頑張ること」これも大切なコツと言えます。子ども好きの人は、お産も軽く母乳も良く出ます。

 われわれ「生物」の生きる目的は、文字通り「生きること」です。自然界では自分の命を犠牲にして子供を助ける場面がよくありますね。自分は滅びても、子孫は自分の考え方や素質を受け継いで生き続けます。このように自分自身だけでなく自分の子孫をも含めた「自分」を保存していくことが生物の目的なのだと思います。

 お腹の中の赤ちゃんはあなた自身そのものです。「赤ちゃんなんかいらないから、お腹切ってー」なんて騒ぐ情けないお母さんにならないでくださいね。きっと素晴らしい赤ちゃんが生まれてくるんですから。

 「お産は自然分娩でお願いします」と言われることがあります。薬や注射を使って欲しくないという意味のようです。しかし「やたら手を加えないで欲しい。でも危険があれば防止してくれるのが当たり前」だけでは私達も困ってしまいます。危険防止に薬や注射が必要なことはしばしばあるのです。

 現代は医療と患者双方で不信の時代。大変不幸な事です。興味本位のマスコミ記事のより医療への徹底的不信感があり、われわれが丁寧に説明しても納得されないことが、新聞や雑誌の切抜きでいっぺんに理解させる世の中です。われわれも努力をしますが、とにかくお医者さんと良いコミュニケーションを。

 日本の新生児・母体死亡率の低さは現在世界トップクラスで、今やお産は安全なのが当たり前と考えられていますが、本来、生命の誕生はもっとも不確定要素を含んだ部分なのです。

 魚は一度に何万個の卵を産み、タンポポなど植物も無数の種子を放ちますが無事育つのはごくわずか、餌になったり枯れてしまうものの方が多いくらいです。自然はこのようにわざと無駄をして、試練に耐えた強いものだけを残します。一見無駄にみえるこの仕組みも、大変合理的なのかも知れません。この大原則をよく理解した上で、与えられた医学の進歩・幸せを享受してゆくことが大切と思います。

 お産専門の診療所を父の代から50年間やってきましたが、最近入院分娩をやめ、外来で妊娠管理を行い、お産は連携病院へお願いするシステムとしました。お産には大変生きがいを感じてきましたので、生命の誕生に接することが少なくなりとても残念ですが、反面、入院施設がなくなって、ゆったりと楽しく診療ができるようになりました。

 これからは大病院の設備と、診療所の親密さ、双方のメリットを生かした産科医療こそよりよい形なのではないかと思います。

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