弘法大師の霊場として名高い
平戸の最教寺
 「泣く子は育つ」と縁起をかついで
  “ハッケヨイ、南無大師偏照金剛”と
     あやしておどす子泣き相撲




長崎県・平戸は、室町時代に、ポルトガル商船が初めて入港し、鎖国の時代まで貿易港の拠点として栄えました。今もなお、南蛮文化が漂う教会や寺などの建物が数多く点在し、訪れる人々を楽しませています。

弘法大師の霊場として名高い最教寺に、毎年節分の行事の一つとして、“子泣き相撲”があります。誕生くらいまでの幼児が2人、しつらえられた高台に向かい合い、裃にシャモジを持った行司が「ハッケヨイ、南無大師偏照金剛」とあやしたり、おどしたりするうち、早く泣き出したほうが勝ち、という仕組みです。

いつもは泣く子に手を焼くお母さんも、この日ばかりはわが子の泣き声にうれしそうです。
「泣く子は育つ」という縁起をかついで、県外からも参加する人々が年々増えています。

この風変わりな行事を見ようと、最近では各地から観光客も押しかけ、新興行事として昭和29年に復活し、瞬く間に平戸名物になりました。

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