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産科と小児科
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『産婦人科の先生と小児科の先生とが連携すると、母児のための医療・健康管理はもっと素晴らしくなる』とは誰もが思うところ。
前回、BeMam
MESSAGE(BeMam.com)ではソフロロジーを代表する産婦人科の松永昭ドクターと母乳の話題で有名な小児科の橋本武夫ドクターの対談を掲載しました。
そして、今回の登場は大阪から、大阪府の新生児医療分野で病診連携を進めている飯藤産婦人科・飯藤順一院長と愛仁会高槻病院理事長・小児科医の根岸宏邦先生です。
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We Love Baby
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飯藤先生は、最初は小児科医としてスタートし、その後産婦人科医になられた経験を活かして、新生児を両分野の視点で見つめる稀な医師です。
最近、妊娠中からお母さんが掛り付けの小児科医を決め、より安心して出産を迎えようとする動きもありますが、赤ちゃんの医療(新生児医療)は、まさに産婦人科と小児科の間にあり、両分野の連携がとても重要な鍵を握っています。
また、出産にはリスクをともなうケースが必ずあり、母子ケアの専門医療としての連係の必要性があります。現在、大阪府では新生児医療の充実をはかるため、大阪府新生児医療相互援助システム(NMCS)があります。
これは約20年前に発足した制度ですが、小児科を持たない産婦人科で産まれた病的な新生児や、ハイリスク新生児、重症の新生児などを受け入れるためのシステムです。
このシステムの会長として、重責を担っているのが根岸先生です。
飯藤先生は、かつてこのシステムで受け入れ側の立場として仕事をしていましたが、現在では、依頼側の立場にたって仕事をしています。
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『こうした搬送システムを含め、もっともっと産科医と小児科医の連携を深め、医療環境を進展させることができる』と、ふたりは握手しました。
その一つとして実現しているのが飯藤先生のところで行なっているバックトランスファーシステムです。これは産科で産まれた新生児が病的な状態におちいった場合、ただちに小児科の担当になることが多いなか、軽症の場合には自分の産院内で診療し、重症の場合にはシステム加盟の病院へ搬送する。一方、重症の新生児が病院での集中治療を終えて軽快した場合に、その新生児を引き取るシステムです。
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特に、最近の不妊治療の発達によって、その副産物とも言える多胎や未熟児が増えたため、新生児センターはオーバーベッドになりがちですから、病的な新生児の受け入れが困難な場合も出てきました。そんな状況を少しでも軽減するために、軽症になった新生児を出産した産院へバックトランスファーすることは、新たに発症した重症の新生児を受け入れやすくすることになり、効率の良いベッド運用になる、と考えられるのです。
更には、多くの妊婦さんが住まいの近くの産婦人科で出産することが多い実情を考えれば、他院へ搬送された赤ちゃんが、また出産した産院へ戻ってきてくれるということは、通院を容易にし、母子の絆の維持にも役立つものと考えられるのです。
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根岸先生が勤められている愛仁会高槻病院では昨年、総合周産期母子センターがオープン。この病院のもう一つの特徴は、開放型病院であることだ。飯藤先生も、この特徴を活かして、搬送された新生児の情報収集と診療に携っている。五体満足を信じて産まれた我が子が、突然病的な状態に陥って、産婦人科から小児科の病棟、または他院へ移ったとしても、小児科の先生と産婦人科の先生が、このように連携をしっかりと保つことが出来れば、診療を受けた赤ちゃんの情報が途切れることなく伝えられる。このような地域医療がますます発展することが、今後の周産期医療の望ましい姿かもしれない。両先生は現在厚生労働省の健やか親子21に掲げられているプリネイタル・ビジットの推奨もされている。このシステムは、お腹の大きいうちから、かかりつけの小児科医を持とう、というもので、育児相談を含め、産婦人科医と小児科医の連携を出産前から行なおう、とするもの。育児不安の解消にもつながるものと考えられている。新しい時代の新生児医療に、期待したいシステムだ。
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