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2000.6/BeMamMESSAGE CRS Special

<法制化が話題になったころの話です>

2000年から法制化になったチャイルドシートの資料として/ 安全は誰のために     

取材などで得た話

 

日本のある育児器具メーカーの重役の発言(某協議会発足のパーティで個人会話中に)
あなた事故に遭ったことあります?事故なんてまれなことでしょう。そのために普段の赤ちゃんの車内での快適性が損なわれてもいいんですか?
オートバックスT店、売り場担当員の発言(訪問調査の場で)
車は危険なもの。子どもの事を考えたら車には子ども、ましてや赤ちゃんを乗せないで欲しいくらいです。
ある産婦人科ドクターの発言(個人的な会話の中で)
えらいこっちゃ、エイズの二の舞いになる。
ある外国自動車メーカー広報(取材時)
着用義務化によって、子どもの人数・取り付けるチャイルドシートの個数により家族全員が車に乗れないときには、着用を免除される子どもがいてもよい日本の法規。子どもの差別でしかありません
ある自動車乗員保護研究家(チャイルドシートセミナーシンポジウム席上、横向きのベッドタイプの某社の現状製品に関してと思われるが)
20〜30km/hの事故でも子どもは亡くなる(危険性がある)
ある医師の話(某高級デパートで)
この製品、安全性がしっかりしていないデータがあるんですが、それでも売りますか?…その後販売をストップしたとのこと。
4月2日の事故の話
助手席のチャイルドシートの子どもが事故のときに飛び出して死亡した件、やっぱりしっかりした取り付け指導が必要だ。と同時に、子ども用のELRベルトを改善する必要性があるのでは?
某メーカー(個人電話で)
メーカーがこんなこと言うのはまずいでしょうが、車に子どもを乗せること自体が恐いですよね。そこに重いチャイルドシートをさらに乗せたら、そのことからの危険性が心配…。
日本自動車研究所(取材時)
A社のチャイルドシートが実車レベルの時速50km実験でぶっとんだ?事故が一番多いのは、時速20〜30kmだから、そのときは大丈夫ということでしょう。
C社のチャイルドシート担当者に電話にて(適合車種を聞いたとき)
大きな駐車場で、いろいろな車でチェックさせていただいてるんです。車だって、新旧いろいろですからどのタイプに合うかの調査は大変な作業です。〈ちなみにこのC社は、しっかりした取付キャンペーンなどを全国規模にて展開中〉
某輸入メーカー(訪問時に)
流通業者がいかに販売協力してくれるかがポイントでしょうか。せっかく安全性が高く、お求めやすい価格の製品を輸入してもなかなか商売となると…。
某育児器具メーカーの疑問新聞広告を見て(日本広告機構・JAROに電話したとき)
JAROから、“先方の企業も認めて今後同表現は止めるとの回答をえました”との連絡あり、関係する医師団体にも確認すると返事は??。その後、同広告が数カ月掲載された。
警察庁への法制内容の質問(電話)
法制化はあくまでも着用を啓発するものですから…。
某シートベルトメーカー(取材時)
育児器具メーカーが(安全性に欠ける)チャイルドシートを作っちゃいけないんです。
総務庁の展開で
輸入製品(および3点式)による啓発ポスターやパンフが多いのはなぜ?3点式を奨励する中、過去500万台以上売られている2点式への行政面での対応・使用上の指導は?
2000年4月からの法制実施(5月のゴールデンウィークの目視観察・中央自動車道)
相変わらず助手席でお母さんが子どもを抱っこ。あるいは、後部座席で兄弟で運動会。観察中の着用率5割以下。この現状は?
厚生省関係の小児科医(チャイルドシートセミナーの席上で)
子どもの命を守るチャイルドシートをあまりにも営利目的化するのは好ましくない。
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チャイルドシートで話題の組織

 


●警察庁/交通企画課●総務庁長官官房/交通安全対策室●運輸省/自動車交通局技術安全部●子どもの安全ネットワーク● 日本自動車研究所●日本自動車連盟●自動車部品工業会●自動車工業会●交通安全普及協会●シートベルト推進協議会●通産省●日本交通福祉協会●シートベルト推進センター●自動車乗員保護研究所●チャイルドシート連絡協議会●日本ベビー用品リース業協会●国民生活センター●交通事故総合分析センター●全国交通安全/母の会連合会●産婦人科医師●小児科医師●各自動車メーカー●各チャイルドシート製造メーカー●各チャイルドシート販売企業●報道関係者●研究者●取付指導者●ボランティア団体 その他


安全のための法制化なのに、内容そのものへの意見もこんなにいっぱい。それも間違っているとは思えない意見だ。実はこの現状、1998年から予測されていたこと。警察庁も経費的な理由で当時は法制化を渋っていたと聞いている。自動車工業会も業界の整備が整っていないことを理由に、むしろ反対・心配さえしていた。国内自動車メーカーではトヨタから資料が得られただけだった。1999年5月、チャイルドシート連絡協議会が盛大に発足したが、企業優先の集まりで運営〜展開も大変そうだ。行政は?マスコミは?…?。整備はこれからのようだ。
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BeMam MESSAGE 配付先ドクターの意見は

 


●ベビーシートに特に問題が多いと感じています(その安全性について)。新生児の安全が確保できるとは考えられないのですが。 〈富山県/R先生〉

●ポスタ−のみ貼っています。〈宮城県/I先生〉  

●子供を交通事故から守るため、チャイルドシートはとても大切な事だと思いますが、シートをつけることにより、乗者数の問題(例えば、5人乗りの車に、子供が3人以上いたらどうなるの)など、むずかしいことがたくさんあり、あまりにも情報が少ないのが問題だと思います。 〈神奈川県/H先生〉

●チャイルドシートの着用は、赤ちゃんの車内での安全のため、絶対的に必要なものと思われます。安全なチャイルドシートの開発、母親教室等での取付け方の徹底など、今後、徹底していかなければならないと思っています。 〈千葉県/Y先生〉       

●チャイルドシートの金属部が夏期、熱くなっていてベビーの手などを火傷することがあるので、特に金属部にカバーをかけて、ベビーが座る前に母親が熱くなっていないか確かめて下さいと話している。      〈愛媛県/K先生〉  

●現在のところ通院時の装着率は50%以下です。大切な保護装置ですので必ず着用していただきたいと思います。 〈三重県/N先生〉      

●未だチャイルドシートの着用率は低いと思われます。チャイルドシート着用の必要性をもっと宣伝することが大切だと思います。 〈熊本県/K先生〉         

●義務化は当然の事と思っている。 〈神奈川県/O先生〉           

●チャイルドシートの必要性は良く理解できていますが、もっと使用が簡単で、安価になれば良い。          〈岡山県/A先生〉             

●子供を2人または1人で我慢するかという選択もでてきております。増々少子化につらい所ですね。
〈京都府/O先生〉
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モニター達の意見は  Heart & Safety Nets 1999.10 モニター調査

 


   ●法制・内容関連の意見 価格不満の意見 生活面での意見 他の疑問など


もっと気楽に付けてくれるところがあるとよい。

同じような性能なのに値段にかなりの差があるのはなぜ?

なぜ車に不自然な形でチャイルドシートを取付けなければならないのか?

シートの絵や色も可愛くなく、しかも値段が高く、バラツキがあるのか?

義務化でも、走行中に授乳やオムツの交換等で子どもをシートから外していいというのはおかしい。

値段が高すぎると思う。

来春3人目がうまれるが、1台の車にチャイルドシートを3台つけるのは無理。

いろいろあるが、どれがどんなふうに良いとか悪いとか分りにくい。

親の負担が大きいので補助して欲しい。

もう少しコンパクト、軽量かつ安全なものはできないのか。

必要性は知っているが、2人3人となると、金額の負担が大きすぎる。

子どもがいない人の車に乗る時にはどうするの?

より快適に、より安全な商品が増えているが、本当に子どもにとって快適なのだろうか。

子どもを守るのに大切なものだが、価格が高いと思う。何を基準に選んで良いか分らない。

高値である。

法制化に疑問あり。(なぜバスやタクシーは付けなくて良いのか?むじゅん!)

義務化され、各県での貸出についてどうなのか。

着用義務化の基準が年令だけで決められるのは疑問あり。

義務化されるのに、もう少し安くならないのか。

チャイルドシートをすることにより、どのくらいの安全性があるのか疑問です。

6才といっても体の大きい子は無理だと思う。

値段のバラツキと安全性が不透明で付加価値ばかり目につく。

子どもが4人、5人となった時には考えるものがある。

価格が高い。装着が難しい。義務化するならもっと安く簡便にできないのか。

取付ける時に取付け説明書がむずかしかった。

我家のように車を借りて運転する場合にはどうしたら良いか知りたい。

取付け方はどの車でも同じなのか、心配。

今までのように気軽に他の子を車に乗せてあげることができなくなるのでは?

窮屈ではないか。かさばり過ぎるような気がする。

子どもの人数が多い場合などには着用の必要性がないとのことですが、それでは徹底するのがむずかしいと思います。

夏なんか子どもが暑がって自分から抜け出してしまい、かえって危険な場合があると思います。

友人の子どもを気軽に乗せられなくなるのは残念だ。

高額なものを売らず、もっとシンプルで、安価の物があればと思う。

来年からの義務付け時に、免除される特例について疑問。

値段が高いのでは?

年令について疑問。

軽自動車に装着する場合の安全性。

友人の子でチャイルドシートぬけをする子がいるが、これってどうなんでしょう?
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日本におけるチャイルドシート普及活動の動向

 


日本損害保険協会
●チャイルドシート着用推進を9月の交通安全キャンペーンのテーマとする。
全国/日刊自動車/1998.8.24

日の丸リムジン
●年内をめどに、全車にチャイルドシートを装備する。
現在20台にチャイルドシートを装備、各営業所の運転手を対象にシートの着脱講習を行っている。
日本経済新聞/1999.1.27

日本ゼネラルモータース
●新車購入者を含む「サターン」の登録車すべてを対象に、チャイルドシートの無料レンタルを開始。
サターン登録車/日本経済新聞/1999.2.22

クリントン米国大統領
●チャイルドシートの新たな統一基準として、3つの連結用装置を付け、新型車には、固定装置を組み込むよう義務付ける。
アメリカ/毎日新聞/1999.2.28

神奈川県
●母子健康手帳にチャイルドシート着用啓発文記載。
神奈川県内/日刊自動車/1999.3.8


ホンダベルノ大阪
●期間限定でチャイルドシート購入者に傷害保険を付けた。
大阪府/日刊自動車/1999.3.19 

日刊自動車新聞社
●国内乗用車メーカー各社にチャイルドシートについてアンケート調査を行った。
国内乗用車メーカー/日刊自動車/1999.3.23 

横浜市交通安全協会・神奈川県交通安全協会
●市交安協と県交安協が窓口として、1300個を無料レンタル。希望者が多い時は抽選。
神奈川県内/読売新聞/1999.3.29 

日本自動車工業会
●「春の交通安全キャンペーン」で、シートベルトの重要性をアピールし、この一環としてチャイルドシートの啓発を考えて、チャイルドシート1,100台をプレゼント。
日刊自動車/1999.4.2 

日本自動車連盟(JAF)
●チャイルドシートの着用率調査を4月29日から約10日間、全国の主な行楽地の駐車場51カ所で実施した。
全国51カ所/朝日新聞/1999.6.22

フォルクスワーゲン・ジャパン
●ISOFIX規格に対応したチャイルドシートを販売。
日刊自動車/1999.7.2 




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日本自動車連盟(JAF)
●チャイルドシートの必要性から正しい選び方、正しい取り付け方までを解説した小冊子を発行し、無料で配付。
また、各支部では、救援時にチャイルドシートの必要性をPR。
全国/朝日新聞/1998.8.31

宮城県のトヨタ販売店グループ五社
●新車成約者とオープン懸賞の当選者に、合わせてチャイルドシート300台をプレゼント。チャイルドシート推進用ののぼりと車用ステッカーを県交通安全協会へ寄贈、同五社の社員が交通安全街頭活動を行う。
日刊自動車/1999.1.29

トヨタ自動車
●ISO国際標準化機構規格のチャイルドシート固定方式(ISOFIX)を採用したチャイルドシート新商品をシートベルトメーカーのタカタと共同開発した。
日刊自動車/1999.2.26

茨城県警大宮署
●寄付を受けたチャイルドシートを無料貸し出し。
管内のニ市三町/東京新聞/1999.3.2

三菱自動車工業
●確実に回収およびリサイクルを行えるように「すく・すくプログラム」を開始、子供の成長に合わせて買い換える際、不要となったチャイルドシートを下取り。ただし指定された専用シートに限る。
日刊自動車/1999.3.10


ダイハツ工業系列の販売会社
●ダイハツ自動車購入者と所有している人を対象に無料貸し出し。制度に賛同した22社/日刊自動車/1999.3.23


京都府自動車会議所
●チャイルドシートの教育用のビデオ等100万円相当の物品を京都府に寄贈。
京都府内/日刊自動車/1999.4.2

デイナ−・インターナショナル
●米国運輸省がチャイルドシート装着指導養成プログラムとして標準化している「チャイルドシートパッセンジャーセーフティートレーニングプログラム」の日本版を作成し、販売に携わる人たちを中心にトレーニングを開始。
日刊自動車/1999.6.17

長野県平谷村
●平谷村で生まれた子供に誕生祝いとして贈る。
長野県平谷村/朝日新聞/1999.6.23

レンタカー業界
●チャイルドシートの需要がどのくらいあるのか、保管場所、貸出料金、誰が取り付けるのか、など課題が山積み。
日刊自動車/1999.8.3

交通事故総合分析センター資料より(ただしこれらは一部の紹介です)& 大人たちの安全へのモラル、その先に子どもたちの将来がある

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考えたい、まさかの事故。その現実、その衝撃。そして回避への注意。

いま、車社会の中で子どもを巻き込んだ事故も増えているとのことです。

“事故の確率は少ない”から大丈夫と思い込んでいませんか?

まさか自分には....。みんな、そう思って、油断して悲劇は起きているようです。

さけられない事故。守りたい安全への備え。

社会では、企業モラルや行政意識も一つ課題のようです。

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