お産は痛くて怖いものというイメージを持っているかもしれません。確かに陣痛は痛みを伴うものではありますが、恐怖心を持つことで、さらに緊張が増し、痛みも増してしまうという悪循環に陥ってしまっては残念です。 人間が痛みを感じるのは、大脳皮質中枢ですが、これは、不安があったり、暗示を受けていたりすると、痛みに対して非常に敏感に反応する性質があります。お産についても、安心した状態で望めば、痛みも必要以上に感じないですみますが、不安が大きくなればなるほど、痛みの度合いがひどくなってしまうのです。 このように、お産の痛みには精神的な不安感や緊張感が少なからず影響するものですから、まずは大まかな分娩の流れを知り、恐怖心や緊張感を少しでも取り除けるように努めましょう。待ち望んだ赤ちゃんと対面 できる感動の瞬間をリラックスして迎えられるようにしたいものですね。 |
陣痛が始まってから子宮口が全開になるまでを分娩Ⅰ期と言います。はじめての出産の場合、子宮口が全開になるまでに10時間程度かかります。 病院に到着後、受付を済ませたら内診を受け、子宮口の開きや赤ちゃんの下がり具合などを確認します。その上で出産に備えて着替えを済ませ、病室や陣痛室のベッドで過ごします。 陣痛がある間も息をつめずに呼吸を続けたほうが痛みは軽減しますし、お産の進みもスムーズです。初めてだと特に難しいとは思いますが、助産師やご主人に先導してもらうなどして、呼吸を止めないようにしましょう。 |
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子宮口が全開になってから赤ちゃん誕生までを分娩Ⅱ期と言います。所要時間は30分~2時間程度と個人差があります。 子宮口が全開になったら分娩室に移動し、いよいよ出産です。陣痛の間隔は短くなり、助産師さんがいきむタイミングを指示してくれるので、その指示に合わせて力を入れます。赤ちゃんの頭が出てきたら、からだの力を抜いて、短い呼吸に切り替えますが、これも助産師さんが指示してくれるので、その声に従ってください。 |
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赤ちゃん誕生後、胎盤が出るまでを分娩Ⅲ期と言います。長い陣痛の末、赤ちゃんを出産し、ママになった喜びをフツフツと感じる時期でもありますね。 後産といって、赤ちゃんに酸素や栄養を送っていた胎盤が出てきます。会陰切開をした場合は医師が縫合をしますが、今は溶ける糸を使うことが多いので抜糸の必要がないケースがほとんどです。その後、産褥用ナプキンをあて、産褥ショーツや腹帯を巻き、分娩台の上で2時間程度、経過をみます。 赤ちゃんはへその緒を切った後、身長や体重を計測、さらに心肺機能が正常に働いているかを確認した上で、ママのもとへやってきます。 分娩室で経過をみて異常がなければ病室へ。母子同室の場合はいっしょに病室へ、別々の場合、赤ちゃんは新生児室のベッドへと運ばれます。 |